も く じ  
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No.4

WHO の「健康」の定義から、「健康」の概念を考察する。

WHOの健康の定義
 
Health is a state of complete physical, mental and social well-being,
and not merely the absence of disease or infirmity.
 
健康とは、完全な肉体的、精神的ならびに社会的に良好な存在状態であって、
単に病や弱さの存在しないことではない。
 

 
この定義を訳した法務大臣官房司法法制調査部編の現行日本法現によりますと、
「健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病病弱の存在しないことではない」となっています。

つまりwell-beingを福祉とし、infirmityを病弱と訳しています。
なるほどwell-beingは辞書によりますと、福利、福祉、安寧などとなっていて、文字的には福祉でよいのであります。

しかし、それは社会的ということにはよく通じますが、肉体的福祉、精神的福祉では日本語としてはうまく通用しませんので、well-beingを文字通り良好な存在と訳したのであります。

また、infirmityを病弱と訳していますが、これも辞書の上では、やはり、病弱、衰弱、虚弱、弱点、欠点、病気などの字でありますが、病弱と言えば、病気に罹ってそのため弱ったという意味でありますから、その前にdisease病気という字がありますので、病弱とすれば、同じ病の言葉が重なってくると思います。

従ってinfirmの語原的な意味、つまり固くない、強くないの意味をとって、ここでは弱さと訳したのです。
そのためdiseaseも疾病と言わず病いとし、弱さと同じようなニュアンスの言葉にしました。

なお、このdiseaseとinfirmityと並べたところに、特に私は大きい意味を感じます。
それはdiseaseとは、病気を示し、病気とは一つの生化学的変化の起こった状態が主で、すなわち化学的変化を主とします。
それに対し、infirmityは弱力、つまり、力学的すなわち物理的変化を主として示します。
よってこの二つの言語によって、化学的と物理的な変化の起こっていること、つまり自然科学的なニ大要素に変化の生じていることを、うまく示していると思うのであります。

サンプル >> 健全と健康の間


片山セミナーの講義の中にも出てくるが、「若さと年齢」に係る、Samuel Ullman の文である。
(Samuel Ullman, 1840年 - 1924年)は、ドイツ ヘッヒンゲン出身のアメリカの詩人。
 
(画像はクリックで拡大します)
Youth 青春





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