No.9
ゴールドマン&コーエン「歯周治療学」第5版 病因論を引用し、意見を交えて解説。
非常にわかりにくいと思いますが、基礎的なしかも歴史的にも重要な内容なので、ご静聴下さい。
学校保健に関与し、10年間モデル地区において幼児・小学校児童の歯口顎顔面の発育の推移を観察記録した結果、咀嚼機能において最大に関与する第1大臼歯の咬頭頂において、咬耗は萌出直後から始まる。
再生機能のない組織であるため加齢に従って累積強化される。そのため高齢者では異常と思われる程の咬合面形態になる。
しかし摩滅咬耗を代表するような近隣諸組織の補償的変化によって、その機能は十分補われ、障害を残さない。
咀嚼咬合により、加齢とともに咬合面と隣接面は摩耗し、次第に歯冠長は短く、歯間空隙は狭くなる。
ポッセルトによれば、咬耗に伴って以下の現象が起こる。
①歯髄の髄角の退縮、根菅の狭小化
②隣接接触点の平面化
③歯冠乳頭組織の圧迫を補償するため歯槽骨頂部および歯肉の後退
④歯槽骨皮質の緻密化、海綿骨部の小胞の減少
⑤歯牙の移動
ポッセルトの図譜
まとめ
咀嚼をすれば歯が摩滅咬耗していくのは自然なことであり、生体がそれを補償する形で歯と歯周組織の形や質をリモデリングするということです。